本器は部分放電測定に際し、部分放電パルスを隠してしまう外部ノイズをカットするCD-5型同調式部分放電測定器用の雑音弁別器です。
本製品の基本回路は英国電総研のブラック教授が低周波方式に考案したものを、独自改良し同調式に応用、世界で初めて実用化させたものです。
ノイズ環境が悪い現場等でも高価なシールドルームを設けずに、部分放電測定を行う事が可能で、既に約200台(2000年5月現在)が国内外に出荷され御好評を博しています。
(1)R、C等のバランス調整が必要なく、簡単に雑音を防止できます。
(2)ノイズゲート動作レベル調整、OPENレンジ(所定ゲートレベル以上のノイズをオフ)、CLOSEDレンジ(所定ゲートレベル以上の部分放電
のみ出力)等を有していますので、ノイズの状況に(大きさ、頻度)合わせてノイズカットが可能です。但し、放送波の様な、連続ノイズやそれに
準ずる様な極めて頻度が高いノイズでは、ゲートスイッチ(CD−5内蔵)がオフに成りっぱなしになり、効果がありません。又、外部ノイズと同時
に発生する部分放電は検出出来ません。
(3)本器を使用してゲート回路がOFFになり、CD−5から部分放電出力が出にくい場合、BL−1平衡形コロナ検出器との併用が効果的です。
第1図に外部ノイズが入った場合、外部ノイズは高圧側から接地に向けて(又はその反対に)流れます。従って、検出部Z1、Z2に、流れる
ノイズパルスは同極性になります。次に試料内部に発生した部分放電パルスはCa、Ck、Z1、Z2を1周することになり、Z1、Z2には逆極性
パルスが検出されます。本器ではZ1、Z2に検出したパルス(減衰振動波)をコンパレータ-で矩形波に変換し論理回路で極性を判別し、
同極性の時(ノイズ)、CD−5のゲートスイッチをオフにして出力を止め、逆極性の時(部分放電)はオンにして出力し、ノイズを時間的にカットします。
Ca:供試体 Ck:結合コンデンサー Z1:CD−5検出インピーダンス Z2:ND−1検出インピーダンス
CD−5:同調式部分放電測定器 ND−1:論理制御雑音弁別器 TT:試験用電源トランス Zch:ブロッキングインピーダンス
図1 ND−1形論理制御雑音弁別器の原理図
図2 ND−1の効果(試料100V級CT 印加電圧 AC1100V V:1.6pC/div
H:2ms/div)
動作OFF 動作ON(CLOSEDレンジ)
(1)入力端子
INPUT A CD−5形同調式部分放電測定器のTO ND‐1 INPUT Aに接続する。
INPUT B 許容最大入力電流(商用周電流) 1A
入力端子間電圧 1V以下
(2)増幅器特性(INPUT A、INPUT B供)
同調中心周波数 約400kHz
同調特性帯域幅(−6db低下) 約±45kHz
利得(400kHz正弦波において) 約84dB
(3)ゲート動作レベル
1、2、5、10、20の5段切り替え。許容差5%以下
(4)最小動作放電電荷
供試体及び結合コンデンサーとも1000pFにおいて、0.5PC以下(ゲート動作レベル1)
(5)ゲート動作機能
OFF 常時 ゲート制御信号0V(ON)発生
CLOSED 部分放電検出時(ゲートレベル以上)ゲート制御信号0V(ON)発生
OPEN 外部ノイズ検出時(ゲートレベル以上)ゲート制御信号+4V(OFF)発生
(6)ゲート動作モニター端子
+4V ゲートスイッチON
0V ゲートスイッチOFF
(7)パルスモニター端子(OUTPUT A、OUTPUT B供)
無歪最大出力約10V
内部ノイズ50約mV
出力インピーダンス約5kΩ
(8)ゲート制御信号出力端子
+4V ゲートスイッチOFF
+0V ゲートスイッチON
(9)電源
50Hz又は60Hz 100V 10W
(10)寸法、重量
約300mmW×110mmW×250mmL 約3.1kg
(11)付属品
測定用3C−2Vケーブル 10m 1本
電源コード 5m 1本
接続コード(両BNC) 1m 1本 0.5m 2本
取り扱い説明書 1部
検査成績書
1部