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LCD−3A形自動抵抗分電流測定器仕様



1.概要


 電力系統に侵入する雷サージや開閉サージによる事故を防止するために避雷器が使用されています。この避雷器は、従来は直列ギャップ付炭化珪素避雷器が使用されていましたが、近年では直列ギャップのない酸化亜鉛形避雷器が数多く使用されるようになりました。  酸化亜鉛形避雷器の良否及び劣化の進行度合を判定するには、もれ電流の中の抵抗分電流を測定することが最も実用的とされています。
 本器は酸化亜鉛形避雷器の総合もれ電流を測定するとともに、その中の抵抗分電流を分離して測定し、酸化亜鉛形避雷器の性能評価、品質管理を目的とした測定器です。  本測定器は、充電電流除去方式に基づき、酸化亜鉛形避雷器に流れる容量分電流を自動的に除去し、抵抗分電流を検出するものです。
 避雷器に流れる総合もれ電流及び、容量分電流を自動的に除去するために必要な標準コンデンサーに流れる電流は、抵抗箱に内蔵の検出抵抗によって電圧に変換し、本体に取り込んでいます。
 出力は、避雷器の総合もれ電流、抵抗分電流、容量分電流、汲び標準コンデンサーに流れる電流をメーター指示しています。また、波形観測用出力、紀録計用出力も装備しています。
 本器は波形歪に強い乗算形容量性電流除去方式(特許取得済み)を採用しています。本器を使用するにあたり別売りの低タンデルタ形の標準コンデンサーを購入して頂く必要があります。

2.構成


kouseizu

3.仕様

(1) 入力
1)DI-10の入力端子 定格入力電流
  検出抵抗250Ωのとき       1mA×(ATT比の逆数)
  検出抵抗2.5KΩのとき      100μA×(ATT比の逆数)
  ATT比は 1/1,1/2,1/5,1/10,1/20,1/50,に可変。 (ATT: INPUT ATTENUATOR)
  最大入力電流          AC1A
2)LCD-3AのIx ,Ics 入力端子
  入力インピーダンス       約300KΩ
  最大入力電圧          AC50V

(2)出力(IxATT=1/1,検出インピーダンス250Ωのとき)

1)メーター出力
 a)総合漏れ電流  Ix ImA(RMS)/F.S. 
 b)標準容量分電流 Ics ImA(RMS)/F.S. 
 c)容量分電流   Ixc ImA(RMS)/F.S. 
 d)抵抗分電流   Ixr(-P),Ixr(+P) ImA(0-p)/F.S. 
 e)抵抗分電流   Ixr(±P) ImA(0-p)/F.S. 
 f)抵抗分電流はメーター感度切りかえ(AMMETER SENSITIVITY) 
で×1,×2,×5,×10,に可変。 
2)波形観測出力端子 MONITOR 
 a)出力インピーダンス 約10KΩ 
 b)1mA(0-p)入力のとき 10V(0-p) 
3)記録計用出力端子 REC OUT 
 a)出力インピーダンス 約10KΩ 
 b)メーターフルスケールのとき DC5V 

(3)位相可変             PHASEつまみにより±20゜(50Hz)可変
(4)精度

1)メーター指示 
 a)メーター指示精度 ±2.5%/F.S 
 b)Ix,Ics,Ixcの精度 ±5%/F.S.+メーター指示精度 
 c)Ixr(-P),Ixr(+P),Ixr(±P)の精度  ±2%/F.S.+メーター指示精度±Ix/100 
2)波形観測出力 
 a)Ix,Icsの精度 ±2% 
 b)Ixr,Ixcの精度 ±2%±Ix/100 
3)記録計用出力 
 a)Ix,Ics,Ixcの精度 ±6% 
 b)Ixr(-P),Ixr(+P),Ixr(±P)の精度 ±3%±Ix/100 
4)ATT ±2%
5)AMMETER SENSITIVITY ±2% 

(5)消費電力、動作電源範囲
                    約10VA以下(AC100V),AC100V±10% 50/60Hz

(6)動作温度範囲             0〜40゜C

(7)構造
  1)重量              約4Kg
  2)外形寸法            W480mm,H99mm,D251mm

(8)附属品
1)電源コード             3m
2)接続ケーブル            CB-1-10 2本
3)検出抵抗箱             DI-10  2個
    インピーダンス         250Ω±1% 又は 2.5KΩ±1%
    過電流保護用ツエナーダイオード内蔵
    外形寸法            W100mm,H50mm,D100mm

4.原  理(原理図参照)

 避音器に流れる総合もれ電流Ix(=IxR+Ixc)を検出抵抗で検出しEx(=ExR+Exc)を得て、差動アンプの+入力に入れます。標準コンデンサーに流れる電流Icsを検出抵抗で検出し、Ecsを得て、ゲインコントロールアンプを通して差動アンプの−入力に入れます。
 差動アンプの出力(Ex−Go×Ecs)にEcsを乗算し、その積分値が0になるようにゲインコントロールアンプのゲインを変化させ、差動アンプの出力にEcsと同相の成分すなわちExに含まれる容量性成分がなくなるよう自動調整し、Exに含まれる抵抗分電流ExRのみを検出します。
 その抵抗分電流ExRをピーク検出回路により、ピーク値を検出し、メーター指示しています。

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       DI-10

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