400kHz同調式部分放電測定器の特徴

1.日本のノイズ環境にあった設計思想があります。
 1963年通産省電気試験所(現産業技術総合研究所)との共同開発により1号機が誕生しました。 当時、部分放電(コロナ)測定器は輸入機器が殆どで、様々な検討が行われた結果、比較的安価で高感度かつ日本のノイズ環境にあった測定器の開発が目標になりました。そして基本仕様としてAM放送帯(590kHz〜1.2MHz)を避けるべく400KHz単一バンド同調方式が決定されました。 1号機発売以来、真空管(NP-M型309台出荷)、FET(CD-3型CD-5型654台出荷)、オペアンプ(CD-6型80台出荷※)等使用デバイスは変わりましたが、単一バンド400kHz同調方式は一貫して貫かれています。※2010年5月現在



2.検出感度が高い
弊社の同調式部分放電測定器は400kHz±50kHzの同調増幅回路を採用しています。部分放電検出回路自体が試料及び結合コンデンサーの容量Cと検出器のLの共振回路なっています。そのため受動素子(電源を使わない素子)の回路部分の出力を大きく出来、結果S/N比を高くとれます。さらに増幅部自体が4段構成の同調増幅回路になっているために高感度検出が可能です。またアットネータ(減衰器)の前に受動回路の検出部しかないため、極めて飽和に強い仕様になっています。そして高感度を実現する為のコア部分である検出部のタップ式トランスはコンピュータのシュミレーションより最適な巻き線比に設計され、ベテランの職人が手巻きで製造しています。4段同調式回路の回路定数も最適化されディスクリート回路になっております。この高感度が理由で弊社部分放電測定器の検出感度自体が社内規格になっている大手重電メーカーもあります。

CD-6(DI-21検出器使用) CD-5(内蔵検出部使用)
縦軸50mV /div   横軸200μS/div  結合コンデンサー、試料とも1000pF  バックグランドノイズは機器固有のセットノイズのみで外来ノイズはありません。

3.シールドルームのない現場で外来ノイズの影響を受けにくい
単一バンド同調式測定器は部分放電検出回路自体が400kHz共振回路になっていますので、頭から外来ノイズを拾い難い構造になっています。弊社の同調周波数は400kHzであり、AM放送の周波数帯より低く日本のノイズ環境にあった測定器になっています。

4.対数アンプに比べ応答の速いリニアアンプを採用しておりますので、発生頻度の少ない微小な部分放電でも確実に検出できます。

TOPへ