電気機器の絶縁特性試験のなかで、部分放電試験は、絶縁性能の長期信頼性を評価するために、非常に有効であることが知られています。
部分放電を測定する現場において、常に問題となるものの一つとして外部雑音があります。部分放電を高感度で精度よく測定するためには、目的とする部分放電信号以外の電気信号（外部雑音）に対する対策が不可欠です。種々ある外部雑音対策のなかで、高圧側から入り込む雑音に対しては、下記に示す平衡形部分放電検出回路が非常に有効な手段の一つです。
ＤＩ−２４は、同調式部分放電測定器を使用して部分放電を測定する際に、平衡形部分放電検出回路を構成するための検出インピーダンスです。
ＤＩ−２４の内部には３個の同調式検出器があり、それぞれ出力端子があります。外部端子に付属のショートバーの切り換えで、平衡形検出器としての構成と、単独立した３個の検出器としての構成が可能です。
（１）同調式による高感度検出
ＤＩ−24は、試験回路の共振周波数を部分放電測定器の同調周波数に合わせる、同調式検出器となっているため、帯域外の雑音の影響を受けず、高感度の測定が可能です。また、平衡調整も帯域内についてのみ取れば良いので、操作が簡単です。
（２）平衡形検出回路による雑音の抑制
平衡形検出回路が簡単に構成できます。ＤＩ−２４とＣＤ−６（弊社製部分放電測定器）を組み合せるのみで、平衡の粗調整が可能となり、実用上、効果的な雑音抑制率（約１／１０、代表値）が得られます。
（３）ＮＤ−２との組み合せによる雑音の抑制および除去
ＮＤ−２（弊社製雑音弁別器）を組合せると、平衡形検出回路では抑制し切れない大きな雑音を除去することができます。
（４）単独立した３個の検出器として使用可能（注１）
独立した３個の検出器としての使用が可能ですから、それぞれの出力端子にＣＤ−６を接続すれば、３組の測定回路が構成されます。またＮＤ−２を使用したアンテナ入力形の雑音除去法の場合、１個を信号検出器としてＣＤ−６に接続し、残りの２個を雑音検出器としてＮＤ−２に接続して使用することができます。
（５）接地側雑音の減少
入力側と出力側が絶縁およびシールドされているため、接地側からの雑音を受けにくくなります。
（６）安全性
高電圧回路の充電電流を測定器内に引き込まないので安全です。
（７）ＣＤ−５、ＮＤ−１にも適応可能
弊社製の従来品ＣＤ−５、ＮＤ−１にも適応可能です。この場合、インピーダンス変換器(IMT-1-2k)が必要となります。詳細についてはお問い合わせ下さい。
（注１）独立した３個の検出器として使用する場合、各検出回路間で信号が渡る現象（クロストーク）が発生します。信号（部分放電および外部雑音）が非常に大きいと、信号の一部が他の検出回路に渡り、測定に不都合を生じることがあります。詳細についてはお問い合わせ下さい。
| 平衡前 | 平衡後 |
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（１）検出器チャンネル Ａ，Ｂ，Ｃ(3チャンネル)
（２）許容最大入力電流 ＡＣ１Ａ(RMS)
（３）商用周波入力インピーダンス １Ω以下(注1)
（４）入力インダクタンス(1000pFレンジ、出力負荷は50Ωにおいて)
１５８μＨ(公称値)(注1)
（５）入力インピーダンス(1000pFレンジ、出力負荷は50Ωにおいて400kHzに共振時)
１２７０Ω(公称値)(注1)
（６）定格共振周波数 ４００ｋＨｚ
（７）共振容量値レンジ ２２０〜１００００ｐＦ(11レンジ)
（８）共振周波数(外付容量は共振容量値レンジの表示値、出力負荷は50Ωにおいて)
４００±４０ｋＨｚ
（９）外部・内部共振容量切換レンジ(CH Cを除く) ＩＮＴ、ＥＸＴ(2レンジ)
（１０）内部共振周波数(CH Cを除く) ４００±３０ｋＨｚ
（１１）負荷切換レンジ(CH Cを除く) ＩＮＴ、ＥＸＴ(2レンジ)
（１２）適正負荷インピーダンス ５０Ω±５％
（１３）入出力極性 同極性
（１４）絶縁抵抗及び耐電圧(入力端子、ケース一括対出力端子一括間)
100MΩ以上/DC500V、AC500V/1分間
（１５）寸法 L=200±2、W=180±2、H=60±1.2mm(取り付け部品を含まず)
（１６）重量 約1.4kg(注1)
（１７）環境条件 動作温度０〜４０℃、動作湿度８５％以下、屋内使用
（１８）付属品
接続ケーブル 両端BNC(P3)、3C-2V、50cm 3
ワニグチプローブ 片端BNC(J3)、片側リード付ワニグチクリップ、3C-2V、10cm 3
ワニグチリード 片側矢形チップ、片側ワニグチクリップ、リード30cm(赤3本、黒1本1組) 1
取扱説明書 1
試験成績書 1
(注1):参考値であり、規格値ではありません。
