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電力ケーブル部分放電測定用
DI−23形検出・整合インピーダンス仕様


1.概要

 電力ケーブルの部分放電測定は、製造された製品の長期信頼性を評価するために行う絶縁性能判定試験の一つとして、非常に有効であることが知られています。
 ケーブルは分布定数供試物であるにもかかわらず、その部分放電測定には、現在一般的に、集中容量供試物用の検出器と同じものが使用されています。
 また、長尺電力ケーブルの部分放電測定においては、ケーブル端部での部分放電パルスの反射波により、部分放電の発生位置が異なると、測定値に差異が生ずることが問題になっています。
 DI−23は、電力ケーブルの部分放電測定用に開発された、同調式部分放電測定器用の、検出及び整合のためのインピーダンスです。電力ケーブルの部分放電パルス検出器としての使用と、終端におけるパルス反射防止のための整合器としての使用が可能です。
 検出器として使用する場合は、DI−23により試験回路の共振周波数を部分放電測定器の同調周波数に同調させるとともに、検出器のインピーダンスを試験回路のインピーダンスに整合させることにより、高感度の測定ができます。
 終端整合器として使用する場合は、結合コンデンサとDI−23による共振周波数を、部分放電測定器の同調周波数に同調させることにより、DI−23に内蔵の抵抗で終端整合して、ケーブル端末でのパルスの反射を防止できます。
 一つの部分放電測定回路の中で、1台のDI−23を検出器として使用し、もう1台のDI−23を終端整合器として使用することも可能です。

2.主な特長

(1)高感度検出
電力ケーブルの部分放電検出においては、従来より高感度の検出が可能です。
(2)終端におけるパルス反射の防止
電力ケーブルの終端における部分放電パルスの反射を抑制し、精度の良い測定が可能です。
(3)接地側雑音の減少
入力と出力が絶縁されているため、接地側からの雑音を受けにくくなります。
(4)安全性
充電電流を測定器内に引き込まないので安全です。

3.接続方法

 下に1台のDI−23を検出器として使用し、もう1台のDI−23を終端整合器として使用した電力ケーブルの部分放電測定回路の一例を示します。
 DI−23を用いた電力ケーブルの部分放電測定回路の一例
(注)部分放電測定器に弊社製CD−5を使用する場合は、インピーダンス変換器IMT−1−2Kが必要となります。

4.仕様

(1) 入力端子(INPUT) 
許容最大入力電流  AC1A(RMS) 
  
(2) 共振容量切換器(TUNING CAPACITANCE) 
レンジ(周波数400kHzにおいて) 
1000、1200、1500、1800、2200、2700、3300、3900pF(8レンジ) 
共振容量値誤差(周波数400kHz、内部負荷において)  表示値の±10%以下 
  
(3) 整合インピーダンス切換器(MATCHING IMPEDANCE) 
レンジ 0、6.8、10、15、22、33、47Ω(7レンジ) 
整合インピーダンス誤差(内部負荷に於て、周波数400kHzで直列共振させたとき) 
(表示値の±20%)+5Ω以下 
  
(4) 負荷切換器(LOAD) 
レンジ 内部、外部(2レンジ) 
(5) 出力端子(OUTPUT) 
極性 HIGH INPUTを+、LOW INPUTを-としたとき、OUTPUTコネクタの内側が+、外側が- 
適合負荷インピーダンス 50Ω 
  
(6) 絶縁抵抗及び耐電圧(入力端子、ケース一括対出力端子) 
絶縁抵抗 100MΩ以上/DC500V 
耐電圧 AC500V/1分間 
  
(7) 寸法、重量 
寸法(取付部品を含まず) L=200±2、W=120±1.2、H=60±1.2mm 
重量 約830g 
  
(8) 環境条件 
動作温度湿度範囲 0℃〜40℃、85%以下 
周囲条件 屋内使用 
  
 
(9) 付属品 
接続ケーブル 両端BNC(P3)、3C-2V50cm 1 
ワニグチプローブ 片端BNC(J3)、片端リード付ワニグチクリップ、3C-2V10cm 1 
ワニグチリード 片端矢型チップ、片端ワニグチクリップ、リード30cm(赤黒2本1組) 1 
取扱説明書 1 
試験成績書 1 

5.DI−23の外観図

di-23_1
di-23_2
DI-23


日本計測器製造所