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高感度部分放電検出用DI−21形検出インピーダンス



1.概要

 高電圧電気機器の絶縁劣化判定方法の一つとして、部分放電の測定は、非常に有効であることが知られています。
 本器は部分放電の測定に際し、供試物及び結合コンデンサーと検出器で構成される試験回路の共振周波数を、部分放電測定器の同調周波数に同調させることにより、高感度の部分放電測定ができるように開発された、検出器です。
 本器は絶縁形高周波シールドトランスを内蔵しているため、接地側からの雑音を受けにくくなっています。又、試験回路の充電電流を測定器内に引き込むことがないので安全な測定が可能です。

2.主な特長

  1. 直接検出回路の場合は供試物と結合コンデンサーの直列静電容量値が、また平衡回路及び雑音弁別回路の場合は供試物及び結合コンデンサーそれぞれの静電容量値が、0pFから10,000pFの範囲で高感度検出ができます。(注1)
  2. 入力と出力は絶縁されているため、接地側からの雑音を受けにくくなっています。
  3. 充電電流を測定器内に引き込まないので安全です。
  4. 当社製CD−5形部分放電測定器に接続して使用した場合は、CD−5単独のときよりも検出感度が良くなります。特に供試物と結合コンデンサーの静電容量値をほぼ等しくすれば静電容量の大きい方で、より高い検出感度が得られます。(注2、3)
  5. 本器を2個使用すれば、雑音平衡法、雑音弁別法(当社製BL−1、ND−1)による測定も可能です。本器をBL−1又はND−1と併用した場合も、従来よりも検出感度が良くなります。(注2、4、5)
  6. 本器と測定器の間のケーブルの長さによる、測定感度の変化が少ないです。

3.本器の仕様

定格共振容量値(周波数400kHZに於いて) 0〜10,000pF(12レンジ)  
適合負荷インピーダンス 50Ω最大入力電流  AC1A(RMS)  
絶縁抵抗及び耐電圧  
(入力端子、ケース一括−出力端子間)
100M以上/DC500VΩ、AC1500V/1分間  
寸法、重量 L=200±2、W=120±1.2、H=60±1.2mm(突出部を含まず)、約700g  
環境条件 動作温度0℃〜50℃、動作湿度85%以下、屋内使用  
 
付属品  
 接続ケーブル 両端BNC(P3)、3C-2V50cm 1  
 ワニグチプローブ 片端BNC(J3)、片端リード付ワニグチクリップ、3C-2V10cm 1  
 ワニグチリード 片端矢型チップ、片端ワニグチクリップ、リード30cm(赤黒2本1組) 1  
 取扱説明書 1  
 試験成績書 1  

4.使用例

当社製CD−5形部分放電測定器に接続したときの性能例(参考値)
(1)検出感度(CD-5のATTが1/1のとき1Vの出力パルスを得るための電荷)
Cx=Ck(F) 100p   1000p  0.01μ 0.1μ  
CD−5単独   0.5pC  0.9pC  11pC   130pC  
(CD-5)+(DI-21) 0.4pC  0.5pC  1.6pC  30pC   

5.オプション(インピーダンス変換器及び、接続ケーブル)(別売)

(1)本器とCD-5接続用  両端BNC(P3)コネクタ、3D-2V10m  
IMT-1-2K形インピーダンス変換器(CD-5用)  
片端BNC(P3)コネクタ、片端4Pコネクタ、3C-2V1m  
(2)本器とND-1接続用 両端BNC(P3)コネクタ、3D-2V10m(マーク付)  
IMT-1-2K形インピーダンス変換器(CD-5用)  
片端BNC(P3)コネクタ、片端4Pコネクタ、3C-2V1m(マーク付)  
(3)本器とBL-1接続用 両端BNC(P3)コネクタ、3D-2V10m(マークなしとマーク付2本1組)  
IMT-1-1K形インピーダンス変換器×2(BL-1用)  
両端BNC(P3)コネクタ、3C-2V1m(マークなしとマーク付2本1組)  

DI-21

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